キャリアコンサルタントの資格を取ればコンサル技術は一人前?

養成講座について

「コンサルタント」とは、

ある特定分野において専門的知識と経験を有し,顧客の持込む問題に対して相談に応じたり,助言を提供したりすることを職業とする人(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

と言われています。

そして、職業能力開発法第二条5によると、

「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいう。

と、定義されています。

つまり、キャリアコンサルタントとは、さまざまな環境にあり、それぞれの個性を持つ労働者に適した、職業選択、職業生活設計、職業能力開発ができる人材でなければいけないということです。

この技術が、養成講座の数ヶ月でマスターできるのでしょうか?

ここでは、キャリアコンサルタントの国家資格を取得する段階では、一体どの程度のコンサル技術が身についているのか?ということをご紹介したいと思います。

実技試験で要求されるのは「寄り添って話を聴く力」

実技試験の合格にコンサル能力は必要ない?

私が実技試験の内容を知ったときに少し驚いたことなのですが、実技試験で要求されるのは、“コンサルティング能力”というより“カウンセリング能力”なのです。

試験では、問題を解決する力よりも、クライアントの話をしっかりと聞く「傾聴力」が問われます。

 

実技試験の15分間では、コンサルタントから目標設定などの提案を行うことはなく、「クライアントの主訴や問題を把握できるように話を聴く」という段階で終わります。

 

あれ?本当にコンサルの勉強なのかコレ?

と思ったのが最初の正直な感想でした。

信頼関係がないと、コンサルティングは行えない

コンサルタントになる勉強なのに問題解決の実践については学ばないの?
これってコンサルじゃなくてカウンセリングじゃないの??

と、少しモヤっとしていたのですが、

「コンサルティングを行うには、まずは傾聴によりクライアントとの信頼関係を結ぶ」という姿勢が、キャリアコンサルティングの大前提にはあったのです。

アイビイのマイクロカウンセリング技法

キャリアコンサルティングに使われる代表的な技法に、「マイクロカウンセリング技法」があります。

マイクロカウンセリング技法とは、感情的、認知的、行動的、発達的アプローチのすべてを取り入れた、包括的・折衷的アプローチをとるカウンセリング手法のひとつです。

マイクロカウンセリングは、多くのカウンセリングにある共通パターンを「技法」と名付け、「マイクロ技法の階層表」にまとめました。

技法には、次の4つがあります。

かかわり行動

クライアントの話を「聴く」姿勢をとることで、クライアントを「聴く」姿勢に導きます。
かかわり行動は、クライアントをはげます効果があります。

具体例:視線を合わせる、体位の取り方や声の調子に気を配る、非言語的はげましを行う

かかわり技法

クライアントの心に寄り添い、言語レベルで傾聴を行います。

具体例:オープン/クローズドクエスチョン、はげまし、言い換え、要約、感情の反映、意味の反映

積極技法

能動的かかわりを行いながら、クライアントの問題解決をうながします。

具体例:指示、論理的帰結、解釈、自己開示、情報提供、説明、教示、フィードバックなど

技法の統合

さまざまな技法を組み合わせて適切に使い、意思疎通をスムーズにして問題解決を図ります。

具体例:ラポール、問題の評価、目標設定、目標へのアプローチ設定など

資格を取得しただけでは実際のコンサルティングは難しいかも

実際のキャリアコンサルティングではすべての技法が必要ですが、実技試験で必要なのは「かかわり技法」までです。

問題解決のフェーズには至らないので、資格取得直後に実際のコンサルティングを行うとすると、クライアントの思考の整理ができるレベルではないでしょうか。

養成講座では、具体的な提案(「方策の実行」と呼ばれます)の力をつける勉強はしませんでした。キャリアコンサルティングにおける一連のプロセスを扱えるようになるには、 資格を取得した後も各自で積極的に学びを深める努力が必要です。

それでもアドバイスより大切な「聴く力」

キャリアコンサルタントの実技試験が傾聴技術で終わっている理由は、「信頼関係の構築ができていない状態でキャリアコンサルタントが積極的に問題解決をこころみても、逆効果になってしまう。」ということなのかな、と私は思っています。

自分がクライアントだったとして、いくら相手がプロといえども、初対面からずけずけとアドバイスをしてくるのは、気分のいいものではないでしょう。

やはり、話をしてみて「この人は信頼できそうだ」と思えたときに、心の扉は開くのだと思います。

心からの提案を聞き入れてもらうようになるためにも、まずはコンサルタントがクライアントを全面的に受け入れる姿勢が必要なのだと学びました。

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