キャリアコンサルタントの先輩!お仕事について教えてください その2

先輩インタビュー

大阪府の高校のなかには、「エンパワメントスクール」と呼ばれる高校があるのをご存知でしょうか。「エンパワメントスクール」とは、一言でいうと「学び直しの学校」。

生徒の「わかる喜び」や「学ぶ意欲」を引き出し、しっかりとした学力と社会で活躍できる力を身に着けるための場所です。

今回お話をお伺いしたキャリアコンサルタントの長友さんは、エンパワメントスクールのなかでキャリア教育コーディネーターとして活動しています。

キャリア教育コーディネーターのお仕事内容や、やりがいについてお聞きしましたので、どうぞご覧ください!

相談をよく受けた経験から、キャリア支援の道へ

20代はスポーツインストラクターを養成する専門学校で専任講師をしていたのですが、日ごろから授業以外でもゼミ学生から悩みや未来についてなどの相談を受けることが多く、その経験を生かしたいという思いがありました。

その後、転職〜結婚〜子育て(親業)等のライフロール(スーパーの8つの役割)観点を意識していくなかで、子育て後、相談サポート業務に携わることを目指して資格を取得しました。

20代後半は、転機(トラジション)によって学校という枠から飛びだしました。

退職後は知見を広げるため、国内外へ積極的に出かけ旅行添乗員(主に富士登山などのアウトドア)、企業新人研修指導、営業職など、数々の人と接し交流する仕事を体感してきました。ここで経験したすべてが今につながっていますね。

人の支援をするためには心理知識も必要だと思い、「パーソナル・サポーター」の訓練(心理職600時間)でワークを受けました。 「パーソナル・サポーター」とは、失業や健康問題などの事情によって生活上の困難に直面している人へ、自立に向けた支援を行う仕事です。

まだ、キャリアコンサルタントの国家資格ができる前の話です。

大学のキャリアセンター勤務、そしてエンパワメントスクールへ

キャリアコンサルタントの資格を取ってからは、大学のキャリアセンター業務の代行をしている会社で働きました。キャリアセンターの業務といっても、大学生に直接関わる仕事だけではありません。

大学キャリアセンターと企業の人事部との仲介役として、まずは企業担当者に挨拶訪問をした情報をもとに、求人票をいただき大学キャリアセンターへヒアリング内容を届けます。また、学内や学外での企業就職説明会のセッティング業務などにも携わってきました。企業担当者が求めておられる人材と学生のマッチングを意識すると、この業務も楽しく感じましたね。

その後、パーソナル・サポーターやキャリアコンサルタント資格の取得でお世話になった養成機関からの紹介で教育委員会の募集を知り、応募しました。

現在のキャリア教育コーディネーターの職についたのは、このような経緯です。

エンパワメントスクールはどんな生徒が来る?

エンパワメントスクールでは、基礎的なことからの学び直しを行っています。

エンパワメントスクールには、心身や家庭の事情などで学習が十分にできない環境に育った生徒、また日本の勉強がわからない海外から来た生徒もいます。不登校だったために学習に後れをとってしまった生徒もいますし、団体行動や学校学習が苦手な性質を持つ生徒もいます。

みんな、さまざまなバックグラウンドを抱えていることが多いです。

キャリア教育コーディネーターのお仕事は?

エンパワメントスクールでは、 企業や公務の外部からゲストを迎え、 職業講話、キャリア教育(職業体験、企業訪問、グループ毎、個別の模擬面接など)の進路イベントにも力を入れています。 またキャリアデザインの授業の時間も設けています。

キャリア教育を主導するのは、進路指導部の担当教員やクラス担任です。キャリア教育コーディネーター(CC)の役割は、進路指導部の教員と意思疎通を図り、生徒一人ひとりに寄り添ったサポートをすることです。

具体的なサポート手順としては、まずは担任教員との面談で、クラスの様子や気になることなどのヒアリングを行います。そのなかで就職活動を進める際に特に個別ケアが必要と思われる生徒がいれば、CCからも面談を行います。

面談では授業中とはまた違った生徒の側面があらわれますので、「独自性ある個性持っているな〜」と思うことが多いですね。

キャリア教育コーディネーターは生徒の心に寄り添い、未来に向けた伴走者

エンパワメントスクールに来る生徒のなかには、自己肯定感が低い子もいます。だからこそしっかりと寄り添い、 リラックスした雰囲気のなかでの語らいによって、自分の良さ、生徒自らが個性に気づき、勇気を与えていく役割を意識しています。

生徒の心の声に寄り添い、質問力を駆使して傾聴することの大切さ

CCからの質問に応じて生徒の口から出た言葉により、生徒自らの不安、悩み等も含めて自分の在り方を客観視して今後の方向を見いだしていくこと。求人票の見方から履歴書の書き方など、就職に必要なハードル事項をひとつひとつクリアしていきます。

高3の夏休み期間に決められた枚数の履歴書を書き、面接の練習に挑み、内定が採れたとき、生徒の表情は一変し、とても自信に満ちた顔を見せてくれます。生徒の成長を感じられたときは、とてもうれしい気持ちでいっぱいになりますね。

現在は、スポーツ専門学校においても、 中学・高校の体育教員になりたい学生を対象に、 大学編入試験で必要な面接対策指導をしています。

これからは女性のライフイベントに応じたキャリア相談にも関わりたい

今は育児休業などの制度もずいぶんと広まっていますが、50~60代前後の女性には優秀なキャリアやスキルがあるにも関わらず、出産を機に仕事の現場を離れた方が多くいます。そんな女性たちがこれまで培ってきた、さまざまなキャリアやスキルを活かすための適材適所、マッチングができたらと思っています。

 

人生100年時代とも言われている現在、多様化された働き方の実現に向けて、若年者のみならず大人の女性支援にも関わっていく所存です。

温かい「お母さん」といった雰囲気が印象的だった長友さん。取材をさせていただいた立場なのに、私の話を一生懸命聞いてくれた姿が心に残っています。

さまざまな事情を抱えた生徒が多いエンパワメントスクールですが、そんな生徒たちだからこそ、愛情をかけて寄り添うことで、心を開いてイキイキとしてくれるそうです。

本当に、「キャリア」はすべての人間が生きていくために切り離せない分野なのだと深く感じることができました。

長友さん、ありがとうございました!

 

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