主体的なキャリア形成:聞くと聴くの違い!
キャリアを拓く「聴く力」:能動的な傾聴が未来を変える
皆さん、こんにちは。福岡でキャリアコンサルタントをしている、株式会社主体的なキャリア形成 代表取締役の平野裕一です。私たちの日常生活では、「聞く」と「聴く」という言葉を何気なく使いますが、この二つの言葉には明確な違いがあり、特にあなたのキャリア形成においては、「聴く力」を磨くことが決定的に重要だと断言できます。
なぜなら、「聞く」が耳に音が入ってくる受動的な行為であるのに対し、「聴く」は、意識的に耳を傾け、相手の言葉の背後にある意味や意図、感情までをも積極的に理解しようとする能動的な行為だからです。この根本的な違いを理解し、「聴く力」を身につけることは、あなたのキャリアを大きく左右するからです。
具体的に、「聴く力」は以下の4つの点であなたのキャリアを飛躍的に向上させます。
- 自己理解を深めるため:
キャリアに悩む多くの方が、「自分が何をしたいのか分からない」と口にします。これは、自分自身の心の声、潜在的な願望、そして強みに「聴く」ことができていない状態です。私のようなキャリアコンサルタントは、あなたの話を「聴く」ことで、漠然とした不安や願望の奥底にある真意を引き出します。そして、あなた自身も、自分の話を言葉にし、私の質問に答える中で、これまで気づかなかった自分の一面や本当の気持ちに気づきます。これは、自分自身の内なる声に「聴く」ことを学ぶプロセスであり、本当の欲求を「聴き取る」ことができれば、主体的なキャリア選択が可能になります。 - 他者との信頼関係を築くため:
ビジネスでもプライベートでも、人間関係はキャリア形成に不可欠です。上司、同僚、部下、クライアント…相手の意見をただ「聞く」だけでは、表面的な理解に留まります。しかし、相手の背景や意図、感情までを「聴く」ことで、相手は「この人は私のことを理解しようとしてくれている」と感じ、あなたに心を開き、信頼を寄せてくれるようになります。この信頼関係こそが、円滑なコミュニケーションを生み、協力体制を築き、新たなチャンスや情報をもたらす源泉となるのです。 - 問題解決能力を高めるため:
仕事上の課題や問題に直面した際、私たちは解決策を模索します。しかし、問題の本質を見極めるためには、関係者の話を深く「聴く」ことが不可欠です。表面的な情報だけを「聞く」だけでは、本当の原因は見えてきません。関係者一人ひとりの話に耳を傾け、それぞれの立場や抱える課題、感情までを「聴く」ことで、問題の根源が明らかになり、より本質的で効果的な解決策を見出すことができます。「聴く力」は、単なる情報収集を超え、問題の深層を理解し、最善の解決策を導き出すための強力な武器なのです。 - 学習能力を向上させるため:
新しい知識やスキルを習得する際にも、「聴く力」は絶大な効果を発揮します。セミナーや研修、先輩からのアドバイスなど、様々な形で情報を受け取りますが、ただ漠然と情報を「聞く」だけでは、表面的な理解に終わってしまいがちです。しかし、講師やアドバイザーの話に意識を集中し、その背景にある意図や経験、そして示唆を「聴く」ことで、より深く、そして実践的な学びを得ることができます。積極的に質問を投げかけ、自分の考えと照らし合わせながら「聴く」ことで、情報の吸収率が高まり、学習効果が飛躍的に向上するでしょう。
私のキャリアコンサルタントとしての経験からも、「聴く力」がキャリアに与える影響は計り知れません。
ある時、転職に悩むAさんが相談に来られました。彼は「今の仕事が不満で転職したいが、何がしたいのか分からない」という漠然とした悩みを抱えていました。私はAさんの話を「聴く」ことに徹しました。仕事のどんな点が不満なのか、これまでどんな時に喜びを感じたのか、どんな働き方を理想とするのか。時には、核心に迫る質問を挟みながら、Aさんの言葉の奥にある本音を丹念に探りました。話が進む中で、Aさんは「誰かの役に立っている実感」や「新しいことを学ぶ機会」を強く求めていることに気づきました。そして、漠然とした不満は、実は現在の仕事でそれらが満たされていないことから来ていることが明らかになったのです。Aさんは「話しているうちに、自分が本当に求めていることが見えてきました」と目を輝かせていました。これは、私がAさんの話を「聴く」ことで、Aさん自身が自分の内なる声に「聴く」ことができた紛れもない結果です。
別のケースでは、チームマネジメントに悩むBさんがいました。彼はチームのメンバー間の連携不足に頭を抱えていました。Bさんの話に丁寧に「聴き」入る中で、チーム内のコミュニケーションが不足していること、そしてBさん自身がメンバーの意見を「聞く」ことはあっても、深く「聴く」機会が少なかったことが見えてきました。私はBさんに、メンバー一人ひとりの話に耳を傾けることの重要性を伝え、具体的な「聴く」ための質問の仕方や、フィードバックの与え方などを提案しました。Bさんはその後、メンバーとの1on1ミーティングを定期的に行い、それぞれのメンバーの仕事に対する想いや、抱える課題を深く「聴く」ようになりました。結果として、チーム内のコミュニケーションが劇的に活性化し、メンバー間の連携もスムーズになり、チーム全体のパフォーマンスが向上したと嬉しい報告をいただきました。
これらの具体例は、「聴く力」が単なる受動的な情報収集ではなく、相手の心を動かし、具体的な行動変容を促し、そして目に見える成果を生み出す強力なスキルであることを証明しています。
「聴く力」を育むためには、具体的な実践ステップ
- 意識を「相手」に集中させる:
相手が話している最中に、次に何を話そうか考えたり、別のことを考えたりしていませんか?「聴く」とは、相手に全神経を集中させることです。視線を合わせ、体を相手に向け、言葉だけでなく、表情、声のトーン、ジェスチャーなど、非言語的な情報にも意識を向けましょう。 - 相手の言葉を遮らない:
自分の意見を言いたくなっても、まずは相手が話し終えるまでじっと耳を傾けることが重要です。言葉を遮ってしまうと、信頼関係を損ねる可能性があります。 - 積極的に「相槌」を打つ:
「はい」「ええ」「なるほど」といった言葉や、うなずきなど、非言語的な相槌を適切に使うことで、相手は「ちゃんと聴いてくれている」と感じ、安心して話を続けることができます。 - 相手の感情に「共感」する:
「聴く」ことの核心は、相手の感情に寄り添うことです。喜びや悲しみ、不安など、相手の感情の機微を察し、共感を示すことで、深いレベルでの繋がりが生まれます。 - 「質問」を通じて深く掘り下げる:
相手の話をただ受け止めるだけでなく、適切に質問を投げかけることで、さらに深く話を掘り下げ、相手の考えや感情を整理する手助けをします。 - 「要約」して理解度を確認する:
相手の話が終わったら、自分が理解した内容を簡潔に要約して相手に伝えることで、理解度の確認と、相手に「きちんと理解された」という安心感を与えられます。 - 「沈黙」を恐れない:
相手が何かを考えている時や感情を整理している時など、沈黙は相手に考える時間を与え、より深い話を引き出すきっかけになることがあります。
まとめ
「聞く」と「聴く」は、似ているようで全く異なる行為です。現代社会は情報過多であり、私たちは多くの情報を「聞く」ことに慣れてしまっています。しかし、本当に必要な情報や、相手の真意、そしてあなた自身の本音を「聴き取る」力が、個人のキャリアを豊かにし、未来を切り拓く紛れもない鍵となります。
福岡の地で、多くの皆さんとお会いする中で、私はこれからも「聴く力」を大切にし、皆さんの主体的なキャリア形成を全力でサポートしていきたいと考えています。ぜひ、今日から意識して「聴く」ことを実践してみてください。きっと、あなたのキャリア、そして人生に新たな視点と可能性をもたらしてくれるはずです。

